グラストンベリーは二つのことで有名です。一つは夏に行われる音楽フェスティバル、もう一つはこの間の無料日本語雑誌に載っていたのですが、イギリスには「レイ・ライン」というのがありまして、その中心がこのグラストンベリーにあります。「レイ・ライン」というのは、まあ、あれだ、宇宙の神秘を感じられて、宇宙の波動や地中の強いエネルギーを取り入れられる場所が地球上にはあるそうで、イギリスではその代表的な場所だそうです。我が家はそういうのはよく分からないが。まあ、訪れる理由は何でも良いので。
グラストンベリーはイギリスでも屈指のパワースポットだそうです。一部の方には人気のようで日本からここが目的で来る人もいます。江原さんが好きな人とか。私は霊感が一つも無いのでよく分かりませぬ。
ビクトリア・コーチ駅を朝7時に出発するバスに乗ります。2時間半でブリストル。イングランド西部に来ました。バスの中では一時間ほど熟睡。ブリストルは始めてきましたが今回は乗換えだけで観光する予定はなし。
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ブリストルのバス中央駅に到着後、20分後に出発する路線バスに乗ります。こちらでは街の中心と電車の中央駅とバスの中央駅が離れていることが多く、慣れないと苦労しますが我が家も大分学びまして今回は簡単でした。こちらはバス中央駅。
路線バスはほぼ満席です。バスは30分毎にでます。アジア人は我々しかいません。というか白人以外は我々しかいません。どうやら色々と遠くに来たようです。
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グラストンベリーは街というよりも村ですね。イングランド南西部サマーセット州です。お店がある通りが数百メートルあるだけです。到着は11時過ぎ。計4時間の移動は結構疲れる。しかもずっとバスだし。
街の地図をプリントアウトするのを忘れたので、まずは旅行案内所へ行きます。ここで20ペンス払って地図を手に入れます。ここはグラストンベリー博物館も兼ねています。2ポンドの料金は随分と安い、それすなわち、中身がいまいちだと思うが、こちらはイングリッシュ・ヘリテッジの施設なので会員である我が家は無料で見られます。よって入ります。
全体で三つの部屋から成ってまして我が家が今日初めての訪問者のようです。予想通りつまらない。これで金を取るとは詐欺だろう。10分程見て退散。ちなみにこの建物は15世紀に建てられたチューダー時代の外観です。この建物はなかなか立派です。
百メートル歩いて本日一つ目のハイライト、グラストンベリー修道院跡を見ます。ここには宇宙のパワーが溢れている場所だそうです。私の英語が悪いのか、受付の爺さんが悪いのか大人一人、学生一人と言ったのに学生二枚になりました、そして日本語の案内書と言ったらロシア語を渡されました。田舎はのんびりしていて良いです。早速中に入ります。
いつ建てられたのかはよく分かりませんが900年代にはあったそうです。そして1180年代に火事で消失、解体となった模様。
グラストンベリー修道院はアーサー王が埋葬されています。もちろんアーサー王は伝説上の王様です。アーサー王の墓が敷地内で見つかり、最終的に教会内に移して埋葬したらしい。
焼け落ちた壁。なかなか凝った作りとなっています。資料を見るとイギリスでもかなり大きな聖堂だったようです。
こちらは聖なるサンザシの木です。サンザシがそもそも何なのか知らないのですが、調べてみると中国原産のバラ科の低木でヨーロッパではハーブとして日本では漢方薬の原料にもなるようです。で、この修道院にそれがある理由ですが・・・これまた調べたところ、
新約聖書によればアリマタヤのヨセフというユダヤ人がキリストの遺体を引き取り埋葬し、十字架のもとでイエスの血を受けた聖杯を持ってイギリスに渡った。そしてグラストンベリーの辺りにあったといわれる伝説の楽園・アヴァロンを目指してこの近くの丘で休憩をしようと持っていた杖を地面に突きさした。すると、杖が大地に根をおろして、芽を出し、サンザシの木になった。そんな丘がある。
ということだそうです。丘には行ってないけど。この木はその子孫なわけです。ちなみに、私の友人のユダヤ人にはヨシという人がいますが、日本語だとヨセフかもしれませんね。日本人でもヨシって多いんだろと聞かれたことあったな。
もうすぐ春のようです。
次は今日のもう一つのハイライト、トーもしくはトールと呼ばれる塔に行きます。 とりあえず、地図を片手に道を歩きます。確か1キロくらいだったと思うので徒歩です。小さい村だと観光が楽で良い。中心からトーに向かう観光バスはあるが、我が家は途中に寄りたい所があるので歩きます。
歩いてやってきたのはChalice Wells、チャリス・ウェルという庭と泉です。入場料は二人で6.5ポンドなり。ちょっと高いな。
先ほどのヨセフがここにキリストの血と汗を収めた瓶と、最後の晩餐に使われた聖杯を埋めたとの言い伝えが残るそうです。つまりここの泉は2千年前からあるわけで、ここは大変なヒーリング・パワーを持つ場所だそうです。どこぞの人は地球上で最も神聖な空間に感じたそうです。私が感じたのは寒さと空腹ですがね。今日はかなり寒くて氷点下までは行かないがしばれる寒さです。
典型的な英国庭園で綺麗です。ここでお昼ご飯を食べます。持ってきたサンドイッチを野外のベンチで食べます。もう少し暖かければ良いのだが、これでは寒い。
鳥もいます。名前はさっぱり分かりません。結構いい声を出していました。
人間には慣れていないようです。パンをちぎってあげました。
庭園の奥にあるのがその伝説の泉。寒さのためか今日は訪れる人が少ないです。
天使のベンチ。
ここで飲んだり、水筒に入れるそうな。ちょっと飲んでみたが随分鉄分が多い気が。道理で回りは赤いわけだ。そして当然赤い泉と呼ばれている・・・
で、次はいよいよトーに向かいます。チャリス・ウェルから徒歩で数百メートル。ただし丘の上なので結構きついです。ここに向かう道ではすれ違う人とかごく僅かでしたが、ここは結構人がいます。
中腹からの村の眺め。グラストンベリーは小さな村ですな。
頂上にはアーサー王ゆかりの塔があります。もちろん伝説の人物です。
頂上からの風景。これで晴れていればもっと素晴らしいのだが。今日は殆ど曇り時々晴れ。
いやー、宇宙のパワーを感じました、ふくらはぎの裏側に。明日は筋肉痛でしょう。
街に戻って休憩します。グラストンベリーはイギリスのパワースポットとして有名なので、スピリチュアル系の店が数多くありました。我が家はスピリチュアルよりも胃袋を満たそうかと。
田舎のカフェです。サマセット州のクロゼットクリーム、またの名を悪魔のクリームは甘さ控えめ。クリームカフェのセットと紅茶で5ポンドちょっと。田舎は物価が安い。
4時のバスで出発し、ブリストルを経由して家に帰ったのは8時なり。